臨床的意義
健常人では, 1日100 mg程度のごくわずかの蛋白しか尿中に排泄されない. その出現メカニズムは血漿蛋白の一部が糸球体で濾過されることによるもので, 主体はアルブミンである. この量を超えた場合蛋白尿となるが, すべてが病的ではなく, 起立時に生じ, 仰臥によって消失する起立性蛋白尿(若年者に多い)や, 過激な運動, 精神的ストレス, 入浴後等に一過性に増加することがある. これを生理的蛋白尿と呼ぶ. 病的蛋白尿は腎臓を中心に腎前性, 腎性, 腎後性と分類し, さらに腎性を糸球体性, 尿細管性に分けるのが一般的である. これらのうちでは糸球体性の蛋白尿の頻度が高く, 臨床的に最も重要である. 糸球体性蛋白尿以外では, Bence Jones蛋白尿を除いて尿蛋白濃度は一般的に低値で50~100 mg/dL程度である. なお, 慢性腎臓病(CKD)の重症度判定においては, 腎機能(糸球体濾過量)とともに尿蛋白量(アルブミン量)が必要とされている.
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異常値を示す病態・疾患
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関連検査項目
参考文献