臨床的意義
国立がん研究センターの2017年の統計によると肺がんが男性第1位, 女性でも第2位を占めており, その多くが非小細胞肺がん (NSCLC) と考えられている. 2018年3月にNSCLCの治療に対し, BRAF阻害剤ダブラフェニブ (タフィンラー®) とMEK阻害剤トラメチニブ (メキニスト®) の併用療法が承認されましたが, 本治療を開始するためにはBRAF遺伝子変異を調べる必要がある,
BRAF遺伝子は細胞増殖に大きく関与しており, 600番目のアミノ酸であるバリン (V) がグルタミン酸 (E) に置換される「BRAF V600E変異」を起こすと, がん細胞が無秩序に増殖し続ける状態に陥るが, 日本におけるNSCLCの約1%に本変異が認められるとされている.
本検査は, 2018年12月に保険適用された次世代シークエンサーによるコンパニオン診断システムを用い, がん組織よりDNA, RNA上の46種のがん関連遺伝子を一括, 網羅的に解析し, 500種以上の遺伝子変異を測定するが, 解析結果はBRAF V600E遺伝子変異のみ報告する.
日本肺癌学会編『肺癌診療ガイドライン (2018年) 』においても, 進行・再発非扁平上皮非小細胞肺癌の場合は, BRAF遺伝子変異の測定が他のドライバー遺伝子 (EGFR遺伝子変異, ALK遺伝子転座, ROS1遺伝子転座) とともに推奨されている.
本検査は, ダブラフェニブおよびトラメチニブの併用投与の非小細胞肺がん患者への適応を判定するための補助として承認されている.
内容削除
異常値を示す病態・疾患
内容削除
関連検査項目
オンコマイン™ Dx Target Test マルチ CDx システム(肺癌マルチCDx遺伝子解析)
内容削除
参考文献
肺癌患者におけるBRAF遺伝子変異検査の手引き 第1.0版 2018 年 4 月 5 日
内容削除
参考資料 (院内環境のみ)
内容削除