臨床的意義
幼若血小板比率(immature platelet fraction: IPF)は, 平均血小板容積(mean platelet volume: MPV)と同様に骨髄での血小板産生の指標である. フローサイトメトリー法により幼若血小板の割合を算出したもので, 特発性血小板減少性紫斑病(immune thrombocytopenic purpura: ITP)で高値を示す. 血小板産生の指標であるMPVは, 血小板数が著しく減少している場合に算出できないことがあるため, IPF%をその代替とすることも可能である.
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome: MDS)の一部症例において, IPF%高値を示すものがあり, 7番染色体などの予後不良染色体異常との関連も示唆されている.
これまで, IPF%は研究用項目としての報告であったが, 2022年1月より中央検査室に導入された血液検査機器であるXRシリーズでは, 正規の測定項目と報告することが可能となった.
異常値を示す病態・疾患
関連検査項目
血小板数
PDW(血小板分布幅)
MPV(平均血小板容積)
P-LCR(大型血小板比率)
参考文献
Sugimori, Naomi et al. Aberrant increase in the immature platelet fraction in patients with myelodysplastic syndrome: a marker of karyotypic abnormalities associated with poor prognosis. European journal of haematology. 2009, vol. 82, no. 1, p.54-60.
