患者の検査前準備
検体採取のタイミング
ラベル見本(検体)(単項目オーダー時)
ラベル見本(微生物)(単項目オーダー時)
採取容器・検査材料
採取容器について
検体採取について
採取後検体の取扱い
検体採取後は可及的速やかに10%中性緩衝ホルマリンに浸漬させる必要があります.
手術材料は, すぐに固定できない場合は冷蔵(4℃)保存し, 約3時間以内に固定を行う必要があります.
DNA抽出には, 5 μmに薄切したFFPEで, 少なくとも腫瘍の割合が10%以上の切片を用います. 腫瘍の割合が10%未満の場合は, マイクロダイセクションを行い, 腫瘍の割合を高めた後DNA抽出を行いますが, 腫瘍量が極めて少ない場合には検査不可となります.
検体搬送について
採取検体の保存条件
受入不可基準
腫瘍細胞率が極めて少ない検体
検査に要する時間(生理検査)
再検査・追加検査の対応可能日数
検体採取に関する注意事項・検査の実施に関する注意事項
生検やセルブロックなどの検体で, 腫瘍の割合が極めて少ない(HE標本上で腫瘍の割合が10%未満)場合, 試料中に標的DNAが存在しても最小検出感度以下である場合には陰性と判定されることがあります.
生物学的基準範囲 または 臨床判断値(Learn More)
基準値情報
コバスEGFR変異検出キットv2.0を用いて, FFPEから抽出したゲノムDNA中の上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子のエクソン18, 19, 20及び21中の変異を検出します.
緊急異常値(Learn More)
表. KINGの結果参照画面で赤背景・青背景で表示される緊急異常値
電話連絡対応(Learn More)
臨床的意義
EGFR遺伝子変異の検出はゲフィチニブ, エルロチニブ塩酸塩, アファチニブマレイン酸塩, オシメルチニブメシル酸塩及びダコミチニブ水和物の非小細胞肺癌患者への適応を判定することを目的として用いる.
オシメルチニブメシル酸塩の臨床成績概略
国際共同第Ⅲ相試験(AURA3試験)
EGFRチロシンキナーゼ阻害薬による治療後に病勢進行したEGFRT790M変異
(注1)陽性
(注2)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者
(注3)419例(本剤群279例, 化学療法群140例)(日本人63例[本剤群41例, 化学療法群22例])を対象として, 本剤80mgと化学療法(ペメトレキセドナトリウム水和物及び白金系抗悪性腫瘍剤の併用投与)の有効性及び安全性を比較する国際共同第Ⅲ相非盲検無作為化試験が実施された. 主要評価項目である主治医判定による無増悪生存期間(中央値[95%信頼区間])の結果は, 本剤群で10.1[8.3~12.3]ヵ月, 化学療法群で4.4[4.2~5.6]ヵ月であった(ハザード比[95%信頼区間]:0.30[0.23~0.41], p<0.001)(2016年4月15日カットオフデータに基づく集計).
(注1)EGFR遺伝子の活性型変異が腫瘍組織検体で確認され, かつ, EGFRチロシンキナーゼ阻害薬による一次治療後に病勢進行が確認された後に, エクソン20の変(T790M)が認められた患者が組み入れられた.
(注2)本品との同等性が確認されているコバスEGFR遺伝子変異検出キットが使用された.
(注3)非小細胞肺癌のうち, 扁平上皮癌が除外基準とされた.
異常値を示す病態・疾患
癌組織から抽出したゲノムDNA中のEGFR遺伝子変異を検出して, 非小細胞肺癌患者への薬剤適応を判定するための補助として用いる.
関連検査項目
肺がん関連遺伝子(オンコマイン Dx Target Test マルチ CDx システム)
参考文献
LSIメディエンス 検査要項