臨床的意義
17-KSは, 11-deoxy-17-KSと11-oxy-17-KSに分けられ, 前者は副腎, 睾丸由来のアンドロステロン(An), エチオコラノロン(Et), デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)の3分画があり, 後者は糖質コルチコイド由来の11-ケトエチオコラノロン(11-keto-Et), 11-OH-アンドロステロン(11-OH-An), 11-OH-エチオコラノロン(11-OH-Et), 11-ケトアンドロステロン(11-keto-An)の4分画がある.
意義として, 副腎疾患, 特にCushing症候群の病因の探求や鑑別に, 他の検査や血中11-OHCS, 尿中17-OHCS測定などと相まって診断価値が高いことが認められている. 副腎癌, Cushing症候群ではET/ANが大で, DHEAは癌で非常に高く, 腺腫, 過形成では低値を示す傾向が見られる. また, 酵素欠損による先天性副腎過形成の鑑別及び欠損酵素の判別にも役立つ.
異常値を示す病態・疾患
関連検査項目
ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)
参考文献
エスアールエル 検査要項
石田孝ほか. リンゴ貝加水分解酵素による尿中17-OS抱合体短時間水解とリン酸除去効果. 臨床化学. 1986, vol. 15, no. 1, p.13-19.

岡谷裕二. 内分泌学的検査 副腎皮質関係 尿中17-ケトステロイド(17-KS)とその分画. 日本臨床. 1995, vol. 53, no. 増, p.421-424.